中海自然再生協議会

「豊かな漁場・遊べるきれいな中海」をめざし、自然再生推進法に基づいた自然再生協議会のWebサイトです。

枕木山から望む中海

中海及び協議会について

中海自然再生協議会について

経緯

  1. (1)島根県と鳥取県の4市1町にまたがる中海地区は、かつては、広大なアマモ場があり、サルボウ貝(赤貝)に代表される豊富な魚介類の生産の場であった。しかし、高度経済成長期に実施された中海干拓・淡水化事業などの大型開発行為により、水質の悪化やアマモ場の消滅、水産資源の減少などが進み、かつての豊潤な自然環境が大きく損なわれている。
  2. (2)平成17年3月には、自然再生協議会の設立のための情報の収集、米子湾の現況や過去の状況把握と自然再生のイメージづくりなどを目的として、民間団体の呼びかけにより「米子湾の自然再生に向けた勉強会」が開始され、平成18年3月までの間、合計12回にわたり勉強会が開催された。
  3. (3)平成18年8月には、民間団体「自然再生センター」の呼びかけにより「中海自然再生協議会設立準備会」が設立され、自然再生協議会設立に向けた手続き、地方公共団体、関係行政機関の参加の可能性、自然再生協議会の規約案などについて合計6回にわたり検討された。
  4. (4)平成19年6月に自然再生推進法に基づく「中海自然再生協議会」を設立。「豊かな漁場・遊べるきれいな中海」をめざして、
    1. 1)住民参画型地域作り
    2. 2)環境教育の推進
    3. 3)ラムサール条約に基づく水鳥との共存
    4. 4)アマモ場の再生と赤貝(サルボウ)の復活
    5. 5)水質浄化と底質改善による汽水域生態系保全
    の5つを推進の柱に、浚渫汚泥処分場の有効利用、上水源である飯梨川の保全と流域住民の生活・漁業・産業の振興、米子湾の水質改善、浅場での水生植物・二枚貝等の再生などの具体目標について検討する予定。

協議会の対象地域

中海および中海直接流入河川

  • 上流:大橋川河口に位置する中海大橋
  • 下流:境水道大橋
自然再生の対象となる中海の地図 中海の干拓前後の地図

協議会会長メッセージ

会長就任の挨拶

会長 國井秀伸

第六期、第七期に続き、自薦により第八期の中海自然再生協議会の会長に選出された國井です。前回の就任挨拶にならい、自薦書に記した活動歴と今後の抱負に加筆し、自己紹介並びに会長就任の挨拶と致します。
 
 中海自然再生協議会におけるこれまでの活動歴:2007(平成19)年6月の第一期第1回中海自然再生協議会から専門委員として協議会に参加し、全体構想検討専門部会長として中海自然再生全体構想の策定に大きく関わった。2008年11月に全体構想がまとめられた後、自然再生推進法に則った中海自然再生事業実施計画を策定するにあたり、第二期の協議会では協議会の専門家会議の議長として提案された実施計画の素案を絞り込む作業を担当し、第三期の協議会においては第一期の事業実施計画をまとめる役割を果たした。再生事業が本格的に開始された2012年4月からは協議会の事務局長としてアドバイザー委員会を主導し、協議会開催時の講演会の講師依頼を行なうなど、協議会の運営に寄与した。2017年からの第六期の協議会で自薦により会長に立候補し承認・選出され、第七期も自薦により会長を継続した。なお、第六期の協議会会長時には「中海の自然再生10年史」をまとめている。

 今後の抱負:本年(2021(令和3)年)が第二期事業実施計画の最終年度であることから、第八期の協議会ではこれまで進められてきた3つの事業実施計画の総括を行うとともに、第七期の協議会で協議を重ねてきた全体構想の見直しと第三期事業実施計画の最終案の取りまとめを行う。なお、7月に開催された第八期第1回の協議会で、コロナ禍の影響により2020年度と2021年度の事業実施に支障をきたしたことから、第二期事業実施計画の実施期間の1年延長が承認され、最終年度を来年度(2022年度)とすることとなった。コロナ禍が収束することを願い、事業実施者にはこれまでの事業の遅れを補うよう努力されることを望み、また時間的な猶予ができたことから、全体構想の策定については、自然再生推進法の基本方針の見直しに沿い、「持続可能な開発目標」(SDGs)や「地域循環共生圏」構築に向けた取り組みを織り込みたいと考えている。

 中海自然再生協議会を構成する委員の数、そして事業実施計画の数が漸減し、中海の自然再生活動に広がりが見られないことを危惧している。私は長年にわたり事業実施の中心であり協議会の事務局を務める認定NPO法人自然再生センターの協議会担当理事として協議会との連携を図る立場にあることから、今後ともセンターとの互恵的な関係を構築し、中海の自然再生活動を活発化させたい。
   

中海自然再生全体構想の概要

中海自然再生全体構想

1.自然再生の対象となる地域

本事業の対象区域は、境水道を含む中海本体(86.8km²)と大橋川を除く中海に直接流入する河川の全集水域(395km²)

2.自然再生の目標

昭和20年代後半から30年代前半の「豊かで遊べるきれいな中海」であり、豊かな汽水湖の環境と生態系、そして心に潤いをもたらすきれいな自然を取り戻し、かつての中海の自然環境や資源循環の再構築を目指す。
そのため、「よみがえれ、豊かで遊べるきれいな中海」を合言葉に、以下の5つの推進の柱(大きな目標)を設定し、事業を推進する。

中海自然再生全体目標
「よみがえれ、豊かで遊べるきれいな中海」を合言葉に、豊かな汽水湖の環境と生態系、そして心に潤いをもたらすきれいな自然を取り戻し、かつての中海の自然環境や資源循環を再構築する。

5つの推進の柱(大きな目標)

  1. 1) 水辺の保全・再生と汽水域生態系の保全
  2. 2) 水質と底質の改善による環境再生
  3. 3) 水鳥との共存とワイズユース
  4. 4) 将来を担う子ども達と進める環境学習の推進
  5. 5) 循環型社会の構築

資料

PDFアイコン中海自然再生全体構想(作成)

PDFアイコン中海自然再生全体構想[英語版](作成)

中海自然再生実施計画の概要

中海自然再生実施計画

1.実施主体

実施者:認定NPO法人 自然再生センター、ほか

協議会:中海自然再生協議会

2.自然再生事業の対象となる区域

対象となる区域は、平成24年度から5年間程度の第1期実施計画として自然再生を行う4つの取組みごとに、次のような区域とする。

  1. (1) アマモ場の保全・再生事業

    境港市の外江及びその周辺地域のアマモ場の保全区域

  2. (2) 海藻類の回収及びその利用事業

    江島及び境水道に近い本庄水域と、北部承水路及び弓ヶ浜承水路を中心とした中海北部の沿岸域

  3. (3) 砂浜の保全・再生事業

    中海の南東部で、米子市の粟島神社と彦名干拓地から安来市の八尋鼻を結ぶ線より東側の米子湾

  4. (4) 浚渫窪地の環境修復事業

    中海南東部の細井沖浚渫窪地及び錦海団地沖浚渫窪地

3.自然再生事業の実施内容

  1. (1) アマモ場の保全・再生事業

    外江で採取したアマモ種子を用いて、適地選定を行った後に、すでに考案されている植栽法などにより、アマモ場の面積拡大を図る。

  2. (2) 海藻類の回収及びその利用事業

    海藻の分布状況を調査し、枯死・腐敗する前に逐次回収し、飼料や食料と言った肥料以外の回収海藻の適正な利用法を確立する。

  3. (3) 砂浜の保全・再生事業

    砂浜の再生場所及び利用方法について、地域住民を中心に意見集約を行う。また、水辺の景観の再生・創出についても意見集約を行い、その具現化に向けて構想を練る。

  4. (4) 浚渫窪地の環境修復事業

    小規模の覆砂を実施し、効果の検証実験を行うとともに、モニタリングにより覆砂の環境修復効果を検証する。

資料

PDFアイコン中海自然再生事業実施計画(第1期)(作成)

PDFアイコン中海自然再生実施計画 ポスター資料(PDF形式)

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